Lyricon Recordings Selection

リリコン名録音選集


 リリコン(Lyricon)を使ったプロフェッショナル・プレイヤーとその演奏の数々をご紹介します。
掲載アーティストによるサックスやWXやEWIなどによる素晴らしい演奏が多数あるのは言うまでもありませんが、ここではあえてリリコンを演奏しているものだけにフォーカスしています。

WXやEWIによるレコーディング、については他に、詳しい研究をされている方がいらっしゃるのでそちらをご参照いただきたいと思います。

また、筆者の個人的な好みもあって、Jazz、Fusionに大きく偏っておりますが、プログレ系、環境音楽系、現代音楽系の世界にもリリコン・プレイヤーが存在していて録音もあるのですが、あまり食指が動かないもので....。お許しを。

 あらためて、いろいろな録音を聴いてみると、いかにサックス・プレイヤーとして優れていても、安易に(失礼!)持ち換えただけではリリコンのケイパビリティの全てを表現することは難しいようです。リリコンはサックスとは違う楽器だということを理解して音色や表現方法などを追求しているプレイヤーだけが素晴らしい演奏を残しているのだということが良くわかります。

なお、アルバムのクレジットやコンピュトーン社資料をたよりに探してきていますが、本当にLyriconを使っていたかどうか疑問なものもあります。また、他にもあるよというものがあればご教示いただけると幸いです。

アーティスト名
Almario, Justo フスト・アルマリオ
Anderson, Ian イアン・アンダーソン
Bard, Michael マイケル・バード
Beckenstein,Jay ジェイ・ベッケンシュタイン
Brecker, Michael マイケル・ブレッカー
Brewer, Pete ピート・ブルーワー
Brignola, Nick ニック・ブリグノラ
Cannata, Richie リッチー・キャナータ
Dechant, Charles チャールズ・デシャント
Dennis, Quitman キットマン・デニス
Diamond, Stuart スチュアート・ダイアモンド
Dijkstra, Jorrit ジョリット・ディクストラ
Doldinger, Klaus クラウス・ドルディンガー
D'Rivera, Paquito パキート・デリベラ
Dukoff, Bobby ボビー・デュコフ
Elliot, Richard リチャード・エリオット
Gallina, Sal サル・ガリーナ
Gorelick, Kenny ケニー・G
Greenberg, Chuck チャック・グリーンバーグ
Herman, Woody ウディ・ハーマン
Howard, George ジョージ・ハワード
Hutchkroft, Kim キム・ハッチクロフト
Ito, Takeshi 伊東たけし
Jacubovic, Jaroslav ヤロスラフ・ヤキュボヴィック
Johnson, Dick ディック・ジョンソン
Kane, Larry ラリー・ケーン
Lancaster, Jack ジャック・ランカスター
Lateef, Yusef ユセフ・ラティーフ
Laws, Ronnie ロニー・ロウズ
Lloyd,Charles チャールズ・ロイド
Luell, David デイビッド・ルエル
Mackay, Andy アンディ・マッケイ
Maupin, Benny ベニー・モウピン
McMurray, Dave デイブ・マクマレイ
Menza, Don ドン・メンザ
Muraoka, Takeru 村岡建
Najee ナジー
Nelson, Larry ラリー・ネルソン
Pickett, Lenny レニー・ピケット
Ponzol, Peter ピーター・ポンゾール
Ravencroft, Raphael ラファエル・ラヴェンクロフト
Roland Kirk, Rasaan ラサーン・ローランド・カーク
Rollins, Sonny ソニー・ロリンズ
Roux, Serge セルジュ・ルー
Sanborn, David デビッド・サンボーン
Scott, Tom トム・スコット
Shikata, Takashi しかたたかし
Shorter, Wayne ウエイン・ショーター
Soroka, Paul ポール・サロカ
Stevens, Clive クライブ・スティーブンス
Suzuki, Akio 鈴木明雄
Travers, Brian ブライアン・トレイヴァーズ
Urbaniak, Michael マイケル・ウルバニアク
Walters, John ジョン・ウォルターズ
Zantay, Rob ロブ・ザンテ


Tom Scott
ミスター・リリコンことトム・スコット。
世界で最も有名かつ成功したリリコン・プレイヤーである。10代でデビューし、ドン・エリス、オリバー・ネルソンらのビッグ・バンドで活躍し、70年代には西海岸で最も活躍するスタジオ・ミュージシャンのひとりとなった。サックス、クラリネット、フルートも素晴らしい腕前であり、またTVドラマのテーマや映画音楽などにも多数の作品を提供してきている。ロジャー・ノーブルとビル・バーナーディがリリコンのプロトタイプを完成した際の最初に興味を持ったプレイヤーでありその後の改良にも貢献した。リリコンという楽器の特性を理解してその可能性を最大限に引き出した真のリリコンプレイヤーである。実はリリコンで一番稼いだ人はこの人だったのでは?
Leader Title Release Label Inst Comment
Tom Scott Tom Cat 1974 ODE
EK64960
SONY CDあり
Lyricon I トムが初めてリリコンを使用したアルバム。おそらく、世界初のリリコン録音ということになるだろう。音色も演奏も後に聞かれるようなトム・スコットらしいのリリコンスタイルは未だ全く姿を現さない。まだ実験的に使用しているに過ぎないという段階だ。
Tom Scott New York Connection 1975 ODE
SONY CDあり
Lyricon I 2,7,8曲目で使用。すっかりリリコンのクセにも慣れて、以降に聴かれるトムのリリコン・スタイルが確立されている。2での金属的なリードや7でのワウのかかった音色でのソロやホーンセクションへの積極的な使用もこのアルバム以降聴かれるようになる。
Merry Clayton Keep Your Eye on the Sparrow 1975 Lyricon 未調査
Alphonse Mouzon The Man Incognito 1975 Lyricon
ジャケ表裏のアルフォンスの写真(アフロヘアーにレザーのベルボトム)を見るとちょっとひいてしまうが、内容は懐かしい70年代のポップ/クロスオーバー路線。参加ミュージシャンは、リトナー、グルーシン兄、デビットT等々でかなり楽しめます。ARPやmini-moogの音も沢山聴けます。トム・スコットはサックスも好調。リリコンは3曲目のみ。ワウのかかったメタリックな音色でのソロです。
Gabor Szabo Macho 1975 Lyricon ちょっと聴いてみたのですが、あれっ?リリコンらしいリリコン登場しなかったぞ?A面最後の曲でのヘビーなワウワウテナーは凄いけど。時間のあるときにもう一回チェックしますです。
Tom Scott Blow It Out 1976 CDあり Lyricon I Gotcha、Dream Lady, Shadows でLyriconを吹いている。今聴いてもオリジナル・リリコンの表現力と音色の完成度の高さには驚かされる。苦労もあっただろうが...。Moogの音色ではないかと思われるものがあるが、本人もインタビューでApple JuiceまではLyricon Iだったと述べているし、年代からいっても間違いないだろう。
Quincy Jones Sounds...and Stuff Like That! 1976 A&M
Universal
Lyricon I クインシーの名盤のひとつ。I'm gonna miss you... でのリリコン・ソロもベスト録音のひとつ。Am9/D9の繰り返しで長めのソロ。特徴的なのは高音成分のクリアーさと中音成分のわずかな歪み感。やはりアナログでのきめの細かさが感じられる。かなりベンド幅を広くとっている事がわかる。
Lee Ritenour First Course 1976 Sony Lyricon I 4曲目でソロ。6/8のブルージーな曲だが、高音の強いメタリックな音色の設定。Gotchaでの音に似ている。
George Harrison Thirty Three and 1/3 1976 Lyricon 未調査
Hall and Oates Bigger Than Both of Us 1976 日本盤(Victor Lyricon 未調査
The Jack Daugherty Orchestra Carmel by The Sea 1976 稀少盤 Lyricon I これは隠れた名盤というか思わぬ見っけモンでした。西海岸のスタジオ・ミュージシャンが集まっているビッグ・バンドです。曲・アレンジ・演奏とも良くこのビッグバンドも楽しめます。B面3曲目のファンクナンバーKing Pongでソロ。トムは金管楽器系の音色にワウをかけて使用していますが、これはリリコンI らしい音色です。お勧め!
Billy Cobham Alivemutherforya 1977 Phantom
CDあり
Lyricon I 筆者個人的にはトムによるベスト・リリコン録音に挙げたい。一曲目Anteresでの2分半におよぶリリコンソロは圧巻。2曲目でもテーマを吹いている。必聴!
Steely Dan Aja 1977 MCA Lyricon I 言わずと知れた名盤であるが、実はPegの有名なリフもリリコンによるもの。 当然皆さんお持ちでしょうが。
Doc Severinsen Brand New Thing 1977 入手困難
LP:Epic34925
Lyricon I トランペッター、ドク・セベリンセンのアルバムで、リチャード・ティー、エリック・ゲイル、リトナー、アンソニー・ジャクソン、ラルフ・マクドナルド、リック・マロッタというメンバー。いまとなっては懐かしのクロスオーバーという感じだが名盤。リリコンは3曲目のお手本のようなソロが印象に残る。
William Eaton Struggle Buggy 1977 Lyricon 未調査
The Grateful Dead Terrapin Station 1977 Lyricon 未調査
Stanley Clark I Wanna Play For You 1977 Lyricon I 79年のファンキーなアルバムだ。1・2曲目で使用。1曲目はリリコンの判別が難しい。クラーク/デュークは音が多いのだ!判別難しくても名前が出るだけでちゃんとギャラをもらうプロは偉いのだ。コメントになっていない?2曲目ではリリコンのホーン・セクションとともにブッとい音のファンキーなソロが聴ける。デュークと一緒のときのトムの音色は結構ハデめが多いと言うことに気がついた。
Richard Tee Strokin 1978 Lyricon I Verginia Sundayの中でソロ。たしかこの曲は深町純のNYオールスターズでブレッカーがテナーでソロをとっていたのを思い出す。ミディアムのリラックスした演奏だ。トムは中盤、矩形波的な音色でソロをとる。この頃トムが良く使っている音色である。表現がデジタルホーンよりも繊細だ。
Tonny Williams Joy of Flying 1978 SONY
SRCS9171
Lyricon I トニー・ウィリアムスの後期ライフタイム解散後のアルバム。3曲目はトム・スコットの作曲で、トニーのドラムス、ハンコックのクラビネットをバックにかなり長いリリコン・ソロを聴くことができる。これまたお気に入りの音色である。5曲目はスタンリー・クラークの変化に富んだ曲で、バラード部分でのリリコンの美しさ、パーカッシブなソロとも魅力充分で楽しめる。
The Woody Herman band. Chick, Donald, Walter and Woodrow 1978 稀少盤 Lyricon I ビッグ・バンド界の大御所ウディ・ハーマンがスティーリーダンのビッグバンド・アレンジメントに取り組んだ好アルバム。Green Earringsでのトムのリリコン・ソロがスリリングで緻密なビッグ・バンドアレンジの中で光る。稀少盤だがお勧め!
Tom Scott Intimate Strangers 1979 SONY
SRCS9539
Lyricon I ジャコの共演が有名な本アルバム。。ライナーノーツの中で、本人は初めて全面的にリリコンをフィーチャーしたアルバムと位置付けている。クレジットでは全曲に使用していることになっている。もちろん1,2,4,6,7で聴けるリリコン・ソロは素晴らしい。勿論必聴!
Jakob Magnusson Special Treatment 1979 入手困難
LP:Warner BSK3324
Lyricon I ジェイコブ・マグナソンというキーボード・プレイヤーの好ましいフュージョンアルバムだ。なんとトム・スコットとマイケル・ウルバニアク、2人もリリコン奏者が参加している。リリコンは2のエンディング、3・4・6・7でトム、5でウルバニアク。 アルバムの完成度高く、トム・スコットのソロもいずれも冴えている。フュージョン・リリコン・ファン必聴。
Tom Scott Street Beat 1979 Lyricon I パワーアップしたトム・スコットのアルバム。サックスも元気があるが、リリコンでは特に素晴らしいのが3曲目。ウエスト・コーストっぽいポップなリフからいろいろな表情を見せるソロへ。当時はアマチュアリリコン吹きは結構影響を受けたものだ。他に5,6でもソロ。エフェクター使いも効果的だ。
Ralph Macdonald Counterpoint 1979 Lyricon 未調査6曲目
Captain & Tennille Make Your Move 1979 Lyricon 未調査
Michael Columbier Michael Columbier 1979 再発 Lyricon I Hancock, Carlton, Ritenour, Ray Parker , M. Brecker, Jaco, Gadd, Erskine, Airto Moreiraなどオールスターのこの盤。The Dancing Bullでソロ映画音楽を思わせるモダンな大曲。ブレッカー・ブラザースのようなファンク・ロック。ホーンセクションをバックにシリアスなソロが繰り広げられる。
Harb Alpert Rise 1979 Lyricon 最終トラック、アランフェスで参加。リリコンらしいソロはありません。途中中近東的展開部分でのリードトーンがリリコンと思われます。
Steely Dan Gaucho 1980 Lyricon I これまた名盤!Glamour ProfessionはSDらしいタイトなリズムと複雑に変化するトーナル・カラーの魅力的な曲だ。ここでは波打つようにダイナミクスの変化するホーンセクションの一部として使用している。My Rivalでは間奏の8小節で矩形波的な音色でリードをとる。あまりリリコンらしさは無い。
Amy Holland Amy Holland 1980 Lyricon 4曲目Starsでリリコンソロ未調査
Tony Sciuto Island Nights 1980 Lyricon 未調査
Blondie Autoamerican 1980 Lyricon 未調査
Dan Fogelberg Phoenix 1980 Lyricon I 7曲目でソロ。10小節のソロで多少音程はアマイが爽やかAORももちろんお得意。音色からLyricon Iと思われる。参加しているのは1曲のみ。
Nielsen/Pearson Band Nielsen Pearson 1980 Lyricon 未調査
ライナークレジットあり
Bernie Taupin He Who Rides The Tiger 1980 Lyricon 未調査
Tom Scott Apple Juice 1981 SONY
SRCS9541
Driver 1981年1月にNYのボトムラインでのライブ・レコーディング。自己リーダーとしてはこのアリバムからはリリコンI に替わって、ドライヴァとmoog12を使用。5ではいかにもmoogの柔らかい音色でのソロ。6はリリコン・バラードの極めつけ!複雑な音色ではないが、絶妙の表現。今は亡きリチャード・ティーやゲイルも懐かしい!
George Harrison Somewhere in England 1981 Lyricon 未調査
Victor Feldman Soft Shoulder 1982 Lyricon 調査中
Victor Feldman Soft Shoulder 1982 日本版ジャケには2バージョンあり Lyricon 上に同じ
Alessi Long Time Friend 1982 Lyricon 未調査8曲目
Spyro Gyra Incognito 1982 Driver 5曲目OASISで登場。エキゾチックな曲想の魅力的な一曲。ベッケンシュタインのソプラノのブライトな音色とコントラストを為すリリコンの音色が効果的。ブレスの強弱でエンベロープ・フォロワがしっかり効いている。
Tom Scott Target 1983 Driver この頃のトムのアルバムでは、リリコン・プログラマーとしてマイケル・ボディッカーの名前がクレジットされるようになっていた。これはmoogの音作りに時間がかけられなかったということなのだろう。3曲目Aerobiaのソロなどでも聴かれるようにシンセの音作りは以前よりもずっと凝ったものになってきている。4曲目もmoogらしい音色。後に自らのアルバムでWX/VL-1でカバーしているが、Lollipoppin'はこちらが本家。前編みごとにFATな音色。曲想にもピッタリだ。アタックやベンドが自然。MIDIと聴き較べて見ると面白い。8曲目はリリコンのもうひとつの得意技エスニックもの。
Patrick Williams Dreams and Themes 1983 稀少盤 Lyricon 6曲目Too Hip For The Roomでソロ。ものすごくカッコいいビッグバンド・ジャズファンクです。それもそのはず、チャック・フィンドレイ、ビル・ワトラス、トム・スコットのオーバーダビングの重厚なホーンセクションに超一流リズム隊。トムのリリコンはホーンセクへのオーバーダビングと、4ビート部分でのかなり長いソロとなっています。ニール・スチューベンハウスのベースライン、カッコイイですねえ!ため息出ます。3曲目では珍しいトムのバリトンソロを聴くこともできます。クオリティ高いアルバム。音色はよくバラード系で使う音です。この一曲の中で、トムはフルート、テナーでもソロをとっています。ビル・ワトラスのソロも見事。お勧め!
Amy Holland On Your Every Word 1983 Lyricon 3曲目 未調査
The Barone Brothers Blues & Other Happy Moments 1984 Palo AltoPA8004
Lyricon
さて、典型的なモダンジャズのユニットにリリコンはマッチするのかという質問に明快な答えを示しているのが、ここでのトム・スコットだ。1曲目は、8/12拍子のモーダルな曲で。テーマでのTb,Tpとの3管のリフ、そして弦楽器のような音色でのソロ。タイトル曲では、Flh,Tbとの見事なアンサンブル。そして難しいコード進行で、ニュアンスに富んだ素晴らしいソロを展開している。リリコンはアコースティックな楽器群の中でも、違和感無く管楽器として活躍している。
Victor Feldman チェイシン・サンボーン 1984 1984年リリースの日本盤(Victor VDP-70) Lyricon
2,3,7曲目で使用している。3曲目heart to heartのバラード最近再び注目されているRhodesとのカラミが美しい。バラードでトムが当時多用していた音色。7曲目Western Horizonオーバーダビングによるものと思われるが、オクターブユニゾンのリリコンによるテーマではトム・スコットとしては珍しい音色だ。
Victor Feldman Call of the Wild 1984 PaloAlto Lyricon 上に同じ
日本版ではチェイシン・サンボーン
Victor Feldman High Visibility 1985 Lyricon 未調査
Victor Feldman High Visibility 1985 日本盤 Lyricon 上に同じ
Olivia Newton-John Soul Kiss 1985 Lyricon 未調査
Lee Ritenour Earth Run 1986 Lyricon リトナーの新しいMIDIギターで評判になったアルバムだが、トムは8曲目にリリコンで参加している。やはりギター・シンセとウインド・シンセは違いが面白い。リリコンは管楽器であるということを再認識できる。音色は、トムがバラードでよく使う眠たげな音で、イントロ、ソロとも曲想にマッチしてとても良い出来だ。
Chet Atkins Street Dreams 1986 Lyricon 未調査
Tom Scott Streamlines 1987 Driver 1曲目正弦波系の実にトム・スコットらしい完成度の高い(危なげない・冷静な)ソロ。テーマをサックスで吹いて、アドリブソロをリリコンで吹くパターンがこのころ多かったですね。2曲目Jungle Funkのイントロ・インタールードの笛のような音は間違いなくリリコン。8曲目ではパンパイプのような音色でのでのテーマ。
Billy Cobham Picture This 1987 Driver 1曲目途中4ビートに変ったところで、珍しくTp系の音色でジャズっぽいソロを展開。トムらしい美味しいフレーズで結構白熱しております。ベタベタのジョージ・デュークも良い!6曲目の方はOberheimのSEMのような音だ。やはり良いソロです。これもリリコン盤としてお勧めです。
Victor Feldman Smooth 1987 日本版LP:
Victor VIJ-28111
CD:VDJ-1073
Lyricon Villa Nuevaでソロ。ドラマティックなメロディーのサンバ・フュージョン。音色はソプラノ・サックスのような正弦波。ソロは冷静かつツボを押さえたトムらしいソロ。
Victor Feldman Smooth Lyricon 上に同じ
Wendy & Lisa Wendy & Lisa 1987 Driver 未調査White
Fra Lippo Lippi Light and Shade 1987 LP:Virgin V2442 Lyricon スティーリー・ダンのウォルター・ベッカーがプロデュースした、北欧の2人組AOR。
調査中
Sarah Vaughan Brazillian Romance 1987 Lyricon Love and Romanceでの短いインタールードとエンディングにソロがあります。録音も大変良いのですが、リリコンの音が非常にクオリティの高い美しい音色です。
Christopher Cross Back of my Mind 1988 Driver 9曲目でソロ。トム・スコットらしくないアプローチ。リチャード・エリオットかと思った。でも美しい!尚、余談だが7曲目ではジャド・ミラーのEVIソロが聴ける。
Les McCan Butterfly 1988 Lyricon 未調査
Paul Jackson Jr. I Came to Play 1988 Lyricon 6曲目To The Curbに参加。moogと思われるリードでソロをとっている。いまのところ、1989年以降トム・スコットによるリリコンでの録音は見つからない。WXの時代とオーバーラップしているのは興味深い。
David Sanborn
サンボーンもリリコン使ってた時があるのです。マイケルと同じころ。77年。もしかすると、セルマーはマーケティングのためにミュージシャンにモニター楽器配ったり、貸し出してたりしたのかもしれないけど。
David Sanborn Promise Me The Moon 1977 Lyricon 3曲目Stranger's Armsイントロ、ソロで使用している。音色はLyricon I だろうか?サンボーン節はリリコンを吹いても全く変わらない。アルバム・ジャケットには、Thanks to Ampeg and Selmer Co.s for the use of the Lyricon の言葉が。
Michael Brecker
77年っていうと、Heavy Metal BeBopよりちょっと前だけど、テナーネックに穴あけてピックアップを取り付けてエフェクターかけまくってた彼ならばリリコンに飛びついて当然だったが、どうもしっくり来なかったらしい。後にスタイナーフォンで世界を驚愕させることになるわけですが。よってマイケルが残したリリコンの録音は多分これのみ。違ってたら教えてください。
The Players Association Born To Dance 1977 CD: Vanguard VMD 79398 Lyricon 本当にマイケルはリリコンの可能性を模索していたのだろうか?アルバムのクレジットではLyriconとなっている。マイケルがSteinerphone(EWIの前身)を使い始めたのは80年代も後半に入ってからだと思うので、多分本当にリリコンだったのだろう。5曲目Everything's Gonna Be OKでソロ、6曲目アイズレーBrosのFootstepsではテーマで登場。リリコンでも歌い方はまぎれもなく若い頃のマイケルだ。フィルターのかかり方なども効果的で、うまく使っていると思う。それにもまして若いマイケルやサンボーンのsaxが元気。
Lenny Pickett
タワー・オブ・パワーのサックス奏者として活躍したレニー・ピケット。リリコンやエフェクターなどの飛び道具を使わなくても十分に派手な演奏スタイルだが、さすがにリリコンの特長を活かしている。
Tower of Power In The Slot 1975 Warner Bros. Lyricon I 4のオブリガートはリリコンか?それともチェスター・トンプソンのキーボードか?リリコンらしいリリコンの音を発見することはできないが、このアルバムの素晴らしいことに変わりは無い
Tower of Power Ain't Nothin' Stoppin' Us Now 1976 Columbia 34302 Lyricon 上に同じ。もともと音数の多いグループなので、ソロでもなければ判別不能。それはともかく素晴らしい!70年代に戻りたい。
Lenny White Big City 1977 Lyricon I Big CityのソロのでLenny Picketのリリコンの音色はかなりヘビーは太い音色を使っている。
Jaye P. Morgan Jaye P. Morgan 1977 Lyricon I デイビッド・フォスターのプロデュースによる隠れた大名盤!です。Can't Hide Loveでリリコン・ソロが聴けます。やはり特徴的な非常に太い音で個性的です。
Danny Gottlieb Whirlwind 1989 Lyricon 未調査
Najee
Najee SONGS FROM THE KEY OF LIFE 1995 Lyricon 4曲目Contusionで使用。とても難しいアップテンポの曲だが、16小節のインタールードでのソロ。あまり特徴は無いが、緊張感ある曲調のなかで広がり感を与えるのに成功している。バックのジョージ・デュークも良い。
Wayne Shorter
ショーターも早い時期にリリコンに飛びついたミュージシャンの一人です。大変個性的なサックスを吹く人ですが、やはりリリコンを吹いてもショーター以外の何者でもないフレージングを聴くことが出来ます。
Weather Report Black Market 1976 CD: COLUMBIA CK 65169 Lyricon I この名盤のなかでは、ザビヌルとからむタイトル曲のテーマをはじめ、Three Crownsではチェロのような音色でのソロも聴く事が出来る。Herandnuではザビヌルとのバトル。
Weather Report Heavy Weather 1977 Lyricon 調査中
Herbie Hancock Future Shock 1983 未調査
Herbie Hancock Sound-System 1984 Lyricon 調査中2曲目Metal Heat
3曲目にも参加
Wayne Shorter Phantom Navigator 1986 Lyricon 調査中YamanjaでLyriconソロ
Benny Maupin
ヘッドハンターズ以外の活躍があまり有名じゃなくて、知名度低いですが、テナーやサクセロ、バスクラなどとてもドス黒いサウンドで個人的には結構好きです。リリコンは早くから積極的に使用していますが、ソロはなかなかありません。HHのアルバムではさすがにハービーの影に隠れてなかなか聴き取りは難しいです。
Benny Maupin Moonscapes 1978 Driver+Emu 調査中パトリック・グリースンのプロデュース、ボビー・ライル、ハービー・メイスン、マイク・センベロ、エイブ・ラボリエルらが参加ヘッド・ハンターズの路線とはやや異なったブラック・ファンクを目指したアルバム。
Herbie Hancock V.S.O.P. Lyricon
わーい!久しぶりに聴いたけどゾクゾクしますね、Hung up....のワー・ワーのイントロ。25年前、これを毎日のように聴いていたことを思い出します。マウピンのワウワウ・テナーのソロももの凄く良いですね。ところで、リリコン使ってないみたいですね。アルバムのクレジットには書いてあるのに。このライブのステージのセットで他の曲で使ったんじゃないでしょうか。
Herbie Hancock Secrets Lyricon ベニーは個人的にはこの頃のハービー・ハンコックのユニットに最もぴったりくるホーンプレイヤーだったと思う。SF的な世界観に合うスペイシーかつアーシーな音。独特の美学を持ったプレイヤーだ。Lyriconを聞き分けるのは至難だが、Cantalope Islandではサックスとのユニゾン。5でのテーマ部分も恐らくリリコンによるものだろう。
Herbie Hancock Direct Step Lyricon 未調査
Alphonso Johnson Moonshadows 1976 Lyricon 未調査 6曲目
Sonny Rollins Nucleus Lyricon Newkleusの中で、イントロ他少しエフェクト的に使用している。ハンコックとの録音同様、ソロとしての大きなフィーチャーはない。
Sonny Rollins
Nucreusが出た頃だったか、僕はロリンズ日本公演のボーヤ関係のバイトをしていた。サウンドチェックのときにロリンズがリリコン(記憶があいまいだが多分IIだったと思う...)で胡弓のような音を出しているのを聴いた。正直言って、変な音だな、やめときゃいいのに、と思った。ロリンズから「NYにおいてある使ってないセルマーのテナーを1本送ってあげるよ。」と言われて有頂天になったが、結局来なかった。
Sonny Rollins Don't Ask 1979 未調査
6曲目Tai-Chiでソロ
Sonny Rollins Love at First Sight 1980 Lyricon II 2曲目で自由に吹くテナーにかぶっているのがリリコンですが、音色的には恐らくスッピンのLyricon IIではないかと思われます。ロリンズはテナーと同次元でリリコンのことを考えようとしていたと、どこかで聞いた覚えがありますが、リリコンらしい奏法上の工夫はほとんど聞かれません。特にこの時代の豪放なスタイルのテナーのロリンズには物足りなかったことでしょう。
Michael Urbaniak
ポーランド出身のバイオリン/サックス奏者ウルバニアクはこの当時、奥方のウルシュラ・ドゥジアックなどのアルバムにリリコンでいくつかの録音を残している。その後肺を悪くして専らバイオリンに移行してしまったのは残念だ。
Randy Bernsen Mo' Wasabi Lyricon 10曲目に夫婦で参加。ブレッカー、ジャコ、ハンコック、等等怒涛のゲスト!
Urszula Dudziak Urszula 1975 Lyricon 未調査7曲目
Michael Urbaniak Fusion III 1975 ? 未調査
Michael Urbaniak Body English 1976 Lyricon 未調査
Urszula Dudziak Midnight Rain 1977 Lyricon 未調査
Michal Urbaniak's Fusion Smiles Ahead 1977 MPS 15.499 Lyricon 未調査
Michael Urbaniak Heritage 1977 ? 未調査
Michael Urbaniak Michael Urbaniak 1977 ?
Urszula Dudziak Future Talk 1979 Lyricon 未調査4,6曲目
Billy Cobham Stratus 1981 CD:INAK 1705-2 Lyricon I 2,4,5曲目でリリコンを使用している。2のソロを聴くとやはりベンド幅をかなり広くセットし、ダイナミクスやアタックの表現もすばらしい。さすがにリリコン慣れしたプレイヤーだ。

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Billy Cobham Billy Cobham’s Grass Managerie 1981

DVD

Lyricon I 1981年スイスでのスタジオライブの録画で、恐らく現在入手可能なDVDでは最もLyricon I の露出度の高い映像です。ウルバニアクは半分以上の曲でLyricon I を、他はバイオリンを演奏しています。音色や演奏では特筆すべきものはありませんが、ウルバニアクのベンディング幅を取ったバイオリンのようなスタイルを充分に視聴することができます。も元
Michael Urbaniak Serenade for the City 1981 Lyricon 未調査
Michael Urbaniak Daybreak 1981 ? 未調査
Urszula Dudziak Ulla 1982 ? 未調査
Urszula Dudziak Sorrow Is Not Forever But Love Is 1983 Lyricon 未調査
Milky Way Milky Way 1992 Lyricon 未調査
Michael Urbaniak Urbanizer 2001 Lyricon 今日Towerで偶然発掘したCD。再発と思われるが、ライナーに記述なく詳細不明。ウルバニアクの個人レーベルUBXからのリリース。ラップ・ファンク・フュージョンというカテゴリがあるかどうか知らないが、そういう表現がぴったりくるアルバム。ハービー・ハンコックやケニー・カークランド、ラルフ・マクドナルドなどもゲストに迎えている。ざっと聴いてみたが、リリコンのクレジットはあるものの大きなフィーチャーはない。
Richard Elliot
レニー・ピケットと同様、タワー・オブ・パワーのホーンセクションで活躍、リーダーアルバムもソフト・ジャズ/AOR路線で快勝のリチャード・エリオットですが、リリコンの録音は多く残しております。1985年のアイオワ州立大でのライブ、LIVE AT THE MAINTENANCE SHOPはビデオにもなっており、なかなか入手困難ではありますが、リチャード・エリオットの激しいリリコンフィーチャーの素晴らしい映像を見ることが出来ます。
Kittyhawk Kittyhawk 1980 未調査
Kittyhawk Race for the oasis 1981 Lyricon 未調査
Deniece Williams Let's Hear It for the Boy 1984 Lyricon
Black Butterflyでソロ。8小節ちょっとですが、コーラスと深いエコーのかかったいつものリチャード・エリオットらしいスケールの大きなソロ。ところで、この曲はデニースも良いです。
Yellow Jackets Mirage A Trois 1985 Driver ほとんど全編にかなりリリコン露出度の高いアルバムです。技巧集団YJの複雑でタイトなリズムに、人間的なニュアンスを付け加えるのに非常に効果的な役割を果たしています。エリオットも頑張ってます!
Osamu Kitajima Passages 1985? 未調査
Kittyhawk Fanfale 1985 未調査
Osamu Kitajima Source 1986 Driver 北嶋舞ちゃんの父上のアルバム。オリエンタルフュージョンで琴や尺八に混じってリリコンが舞う。
Smokey Robinson
Smoke Signals 1986 Lyricon 未調査
Tower of Power Power 1988 Driver 調査中
Alphonse Mouzon The Sky Is The Limit 1988 Driver 88年のシンセピュンピュンのインスト・ダンス・アルバム。moog系の音色3,6曲目でリチャード・エリオットのリリコンが全面的にフィーチャーされている。単調なリズムセクションにリリコンの人間臭さが色を添えている。
Ridhard Smith Unit Rockin' The Boat 1989 Driver 隠れた名盤でRippingtonsとか好きな人にはお勧めです。1・5曲目でリチャードのリリコン、いつもながら、雄大で爽やかなシンセブラス系の音色です。4・6曲目ではジェフ・カシワのEWIが聴けます。
Richard Elliot What's Inside 1990 Lyricon 未調査
Richard Elliot On The Town 1 Driver 1曲目Along the Wayの間奏8小節でのみ使用しています。どうということはないソロですが、さすがにリリコンの効果的な使い方を熟知していてうまいです。
Richard Hastings
Victim of Paradise 1993 未調査
Jay Beckenstein
82年のSpyro GyraのアルバムIncognitoにトム・スコットがリリコンで参加していますが、多分それでベッケンシュタインは影響されちゃったんでしょうね。
Spyro Gyra City Kids 1983 Driver? 1,2,3曲目で使用。残念ながらまだ使いこなしていないというか、あまり効果的ではないがソロも聴ける。
Spyro Gyra Alternating Currents 1985 Driver 未調査
クレジットあり使用
Spyro Gyra Breakout 1986 Driver 調査中LP
Spyro Gyra Stories Without Words 1987 未調査????
Spyro Gyra Rites of Summer 未調査WXか?
Wind Driven Synthesizer
Kenny G 
ジェフ・ローバー・フュージョンでケニー・ゴーリックの名前で出ていたときからライブなどではリリコンを使っていたそうです。JLFのアルバムのクレジットではリリコンを見つけることは出来ませんでした。右の写真は後のカシオのデジタルホーンの広告。たしか「Live」のビデオでステージ上にDH-100を置いてあるシーンを見た記憶がありますが、一度も使っていなかったと思います。
Kenny G G Force 1983 Driver 5曲目でソロ。Mini Moogを音源としているようだ。使い方にまだあまり慣れていないのかリリコンらしさに乏しい平凡なソロだ。
Kenny G Kenny G 1982 Driver 調査中Stop and Goでソロ mini-moogか?
Ewok Celebration 1983 未調査
Kenny G Gravity 1985 未調査
Rahsaan Roland Kirk
悲劇の天才マルチ・(同時)・リード奏者、ラサーン・ローランド・カークは、もちろんリリコンに飛びついたのでした。盲目のローランド・カークは直接Computone社へ出向き、何日もかけて操作法を徹底的に習得して行ったそうです。唯一と思われる録音がこれ。KirkatronというアルバムまたはStanding Eightという2枚組に収録されています。曲名もLyriconon。
Rahsaan Roland Kirk Kirkatron 1977 Lyricon I Lyriconon というタイトルから連想されるイメージとは異なり、The Shadow of Your Smile のようなコード進行の4ビートナンバー。ラサーンはオルガンのような哀愁を帯びた音色で淡々とソロを吹いている。オクターブ・ジャンプなどリリコンのトリッキーな操作がちょっと乱暴だが、ラサーンを愛している人はこの演奏も好きになるはずだ。
Rahsaan Roland Kirk Standing Eight 同上
Chuck Greenberg
リリコンの開発段階からビル・バーナーディに協力し、真っ先に使い始めたのがチャック・グリーンバーグでした。ウインダム・ヒルレーベルで多くの録音を残していますが惜しくも1995年に世を去りました。トム・スコットやフスト・アルマリオらはチャック・グリーンバーグにリリコンの操作法を習ったことがあるそうです。
2002年11月eBayに出品されたグリーンバーグの遺品。開始価格は$500でしたが、入札は無かったようです。
Original edition of the Lyricon, one of three owned and used in performances and recordings by Chuck Greenberg of Grammy Award-winning band Shadowfax. Offered by the Estate of Chuck Greenberg. Good condition.
William Ackerman Conferring With The Moon 未調査
Shadowfax Watercourse Way 1976 未調査
Alex DeGrassi Clockwork 1981 未調査
Shadowfax Shadowfax 1982 LyriconI 笛系の音色が多いが、Lyricon I のパフォーマンスを充分に引き出していて、楽しめる。ソプラノも良い音ですね。
Shadowfax Shadowdance 1983 未調査
Shadowfax An Evening with Windham Hill Live 1983 未調査
Shadowfax The Dreams of Children 1983 Lyricon I 本当に、これがトム・スコットの使っている楽器と同じなのかと思うくらい、エスニック系とか宗次郎系にもピタリと来てしまう泥臭さをもった不思議な楽器であります。シンセだから当たり前か。
Shadowfax Too Far To Whisper 1986 未調査
Shadowfax Folksongs for a Nuclear Village 1988 未調査
Shadowfax The Odd Get Even 1990 未調査
Shadowfax From A Blue Planet 1991 未調査
Shadowfax Best of Shadowfax 1991 未調査
Shadowfax Esperanto 1992 未調査
Shadowfax Shadowfax: A Windam Hill Retrospective 1992 未調査
Shadowfax Magic Theater 1994 未調査
Shadowfax Live 1995 未調査
William Ackerman Passage 1996 未調査
William Ackerman Past Light 1997 未調査
Dick Johnson
リリコン発売時には、デモ録音のLPレコードが付属品として添付されていました。これはディック・ジョンソンによる録音で、リリコンの生音のヴァリエーションを楽しめるものです。ディック・ジョンソンはサックス・クラリネット・フルート奏者でコンコード・ジャズのレーベルでリーダーアルバムいくつかがあり、他にもサイドマンとして多くのアルバムにクレジットされています。いまのところデモ・レコード以外ではリリコンのプレイを発見できません。ご存知の方は教えてください。
Dick Johnson Lyricon Lyricon I リリコンの紹介が目的のLPだけに、全曲リリコン・フィーチャーです。裏ジャケはリリコンのクローズアップ写真。音色は、既存楽器を真似たものが多く、エフェクターはスプリングリバーブくらいのもので、生音勝負と言った感じ。アレンジや演奏そのものについてもさほど印象に残るものはありません。ともあれ、いろいろな音色が使われており、資料としても貴重なものです。
Rob Zantay
リリコンの発明者のひとり、故ロジャー・ノーブル氏がお気に入りだったリリコン・プレイヤーです。リリコンのマニュアルの執筆も担当したようです。
本職はシンセサイザー奏者なんだけれど、いろいろなアルバムにリリコンのサイドマンとしてクレジットされています。CD化されてないマイナーなアルバムが多くてなかなかチェックできません。Hands Down のクレジットにはRob Zanteと書いてありますが、Zantayが正しいようです。Spyro GyranのCity Kidsにもクレジットされているんだけど?
Bob James Hands Down 1982 未調査
Harvey Mason Stone Mason 1982 1・2曲目に参加。2曲目ではなんとトム・スコットがテナーを吹いていますが。スタジオでは一緒だったんでしょうか?どんな話をしたのでしょうか?興味深いです。
Suzanne Ciani Seven Waves 1982 Lyricon Driver 波の音のようなホワイトノイズと、主にアナログ・シンセのシーケンスでとても眠くなる音楽であります。1曲目と3曲目で参加しておりますが、フワフワとした浮遊感であくびを誘います。
Lonnie Liston Smith Rejuvenation 1985 いきなり2コード8分半のロニー・リストン・ワールドに突入するが、1曲目でずっとストリングス系の音色でバックに流れているのがロブ・ザンテのリリコンです。3曲目定かではありませんが、イントロとエンディングに登場する、弦楽器系アルペジオがリリコンのようです!?6曲目でもやはり、ソプラノとユニゾンでホーン系でうっすらとテーマを演奏しているのがロブ・ザンテですね。南の島の海辺でまどろみたい方向きです。
Suzanne Ciani The Velocity of Love 1986 未調査
Suzanne Ciani History of My Heart 未調査
Suzanne Ciani Meditations 未調査
Charles Lloyd
初期の使用ミュージシャンのリストにはチャールス・ロイドの名前が載っています。残念ながら、リリコンの録音はまだ発見できません。

Charles Lloydが使用していたと思われる特別仕様のLyricon 1。ボディはゴールドプレート、なでコンソール周りもベルベットのゴージャスな仕様です。Charles Lloydの名前も彫刻されています。このサイトを訪問してくれた現在の所有者Joelが写真送ってくれました。 Thank you Joel for beautiful pics!
Clive Stevens
初期からのプロ・リリコン・プレーヤーでいまだに現役でリリコンI を使っていると思われるのは、このクライブ・スティーブンスくらいでしょうか?日本での知名度は低いですが、過去の共演者をみても、ラリー・コリエル、sティーブ・カーン、川崎遼、ビリー・コブハム、ジルベルト・ジルなど有名アーティストの名前が並びます。
Clive Stevens Brainchild 1981 Guerilla Records 未調査
Clive Stevens Semijase 1983 Voo Livre/EMI 未調査
Steve Hackett Till We Have Faces 1984 Lyricon 未調査
Clive Stevens New York Street Walk 1985 Frog Records (Germany)
未調査
Clive Stevens Language of Secret Hearts 1992 Metalimbo Records 未調査
Clive Stevens Millennium Jams 2000 Metalimbo Records 未調査
Klaus Doldinger
ドイツのロック・グループPassportのリーダーでサックス奏者クラウス・ドルディンガーもリリコン・ユーザーでした。
Passport Oceanliner 1980 未調査
Passport Blue Tatoo 1981 Lyricon 未調査
Passport Man In The Mirror 1983 Lyricon 未調査
Passport Heavy Nights 1986 未調査
Woody Herman
あのウディ・ハーマンもリリコン・プレイヤーだった?という噂でありまして、リリコンのパンフレットにも使用アーティストとして名前が載っております。彼のビッグ・バンドの録音にリリコンで参加したトム・スコットに影響されて手に入れたというところでしょうか?録音は...無いようですが。機械力によって音程の悪さは改善されるのでせうか?
Yusef Lateef
大ベテラン、ユセフ・ラティーフもリリコンのパンフレットに使用プレイヤーとして名前が載っております。録音は見つかりません。
Nick Brignola
バリトン奏者として有名ですが、スタジオワークでは何でも吹いてしまうのが、ニック・ブリグノラです。10年位前のサクソフォーン・ジャーナルのマウスピースの広告写真に、他の楽器とともにリリコンIのコンソールをスタンドに取り付けている写真がありました。録音が見つかりません。
Ian Anderson
ジェスロ・タルのフルートプレイヤー。レコードはジェスロ・タルでも沢山出していますが、リリコンの録音は少なく、唯一見つけたのが、下記の一曲。他にもあったら教えてください。
Jethro Tull 20 Years Of Jethro Tull(3 CD Boxed Set) 1978 Lyricon "Blues Instrumental"
Sal Gallina
リリコンのデモンストレーション・プレイヤーでもあったサル・ガリーナですが、不思議なことにリリコンによる録音はほとんど見当たりません。WXシリーズを生み出した人物として有名ですが、リリコンへの貢献がほとんど残されていないのは残念なことです。
Andy Mackay
マルチReed奏者で、管楽器の電気エフェクトの先駆者でもあるアンディ・マッケイ(ROXY Music時代にはおもいっきりアイシャドーはいってましたね)ですが、Electronic Musicという本を著しており、その表紙はおおっドライヴァじゃなくてリリコンII (当然外部シンセコネクターからラインが出てますね)を吹いて良い子になったご本人であります。ところで、彼の著書Electronic Musicの表紙はスタジオでリリコンを吹くご本人。この本、Amazon.comなどでusedがたまに出ています。内容はあんまりリリコンじゃありません。
Mickey Jupp Long Distance Romancer 1979 Lyricon 未調査
Paul McCartney Tug of War 1982 Lyricon 未調査
Paul McCartney Pipes of Peace 1983 Lyricon 未調査
Explorers The Explorers 1985 ? 未調査
Jack Lancaster

Country Joe McDonald

Peace On Earth 1984 Lyricon II 未調査
Anthony Phillips The Geese & The Ghost 1977 Lyricon 未調査14曲目
Marscape Marscape 1994 Lyricon 未調査
Skinningrove Bay The Skinningrove Bay Studio Sessions 1981 Lyricon 未調査
Spencer Brewer Shadow Dancer 1984 Lyricon 未調査
Peter & The Wolf 1993 Lyricon 未調査
Pete Brewer
Lynn Sutter Movin' On 1984 Lyricon 未調査
Pete Brewer Dancing Visions 1986 Lyricon http://www.petebrewerjazz.com/index.html
Stuart Diamond
バイオリン、キーボード、リリコンでバッハ、ヘンデル、ムソルグスキーなど古典音楽を主に演奏しているユニットです。蝶ネクタイ・タキシードにリリコン。構えは完全にクラリネットですが違和感ありません...。
Stuart Diamond Electric Diamond Driver/
OB-1
未調査
Paul Fejko Tyme's Escape 1992 Lyricon サンプルはこちらで
http://www.fejko.com/
Paul Soroka
日本ではほとんど知られていないんじゃないかと思うのですが、レコード聴くとかなりすごいテクニック持った人ですね。このポール・ソロカというひとは、ライブでは、リリコンを左手で吹きながら、右手でキーボードを演奏してしまうというスゴイ人らしいです。是非ライブを見てみたい。
http://www.carlfilipiak.com

また、こちらのサイトでは、'79年8月にTV放映されたSolar VisionsというバンドでのリリコンI 演奏の1分間のビデオクリップを見ることが出来ます。 
http://main.wgbh.org/saybrother/programs/sb_0927.html

Carl Filipiak Right On Time これも良い
Carl Filipiak Hotel Real Lyricon 未調査
Carl Filipiak Blue Entrance 1997 Lyricon カッコイイ!
John Palumbo Blowing Up Detroit 1984 Lyricon 1曲のみの参加。エレキギターのようなソロ
Crack the Sky From the Greenhouse 1988 Lyricon 未調査
John Palumbo Victim of the Nightlife 1989 Lyricon 未調査
Paquito D'Rivera
NewYorkでライブ録音されたものがあるという噂なのですが、まだ見つかりません。あのパワフルなブロウイングが、リリコンではどうなるのでしょうか?興味あります。
Don Menza
ビッグバンド関係者ならば、ルイ・ベルソンやバディ・リッチでの活躍でて名前をご存知かも知れませんが、一時期、アメリカのTVショー専属のバンドリーダーとして毎回、リリコンを吹いて登場していたことがあるそうです。実に多くのレコーディングに参加していますが、まだリリコンの録音を発見できません。
Michael Bard
もとスタン・ケントン楽団のサックス・フルート奏者。70年代の終わりから80年代初頭にかけて、フレッド・サイモンと組んで、サイモン&バードというジャズ・フュージョンユニットで活躍していた。最近はMidi-Saxによる録音がある。
Jeff Johnson & Sandy Simpson The Awakening 1987 Lyricon 未調査
Michael Harrison 3rd Avenue 1988 Lyricon 未調査
Jorrit Dijkstra
オランダ出身のリード奏者。音楽的には、様々な電子楽器と録音プロセスを使った現代(抽象)音楽といったジャンルで筆者の趣味とは遠いところにあるが、'99年に入手したジャンクのLyricon IをBill Bernardiを訪ねて修理してもらい、現役で使用している。
Jorrit Dijkstra 30 micro-stems Lyricon I 未調査
Quitman Dennis
竹内まりやさんのアルバムに参加しているのを見つけて調べてみたんですが、ネッド・ドヒニーとかハミング・バードとかのアルバムにも参加しているスタジオ・ミュージシャンのようです。サックスでの録音はものすごく沢山ありますが、リリコンはこのくらい。
Michael Clark Save The Night 1979 Lyricon 未調査
Mariya Takeuchi Beginning 1979 Lyricon 5曲目「目覚め」でソロ
Steve Gibb Let My Song 1979 未調査
Neil Sedaka In the Pocket 1980 未調査
Joan Armatrading
Serge Roux
フランスではいろいろなセッションで活躍しているサックス・プレイヤーです。トゥレ・クンダ等のアルバムにもサックスで参加しているようです。
Khalil Chahine Hekma
Lyricon 未調査
Kim Hutchcroft
シーウインド・ホーンセクションでお馴染みです。なにしろ参加しているセッションの数が半端じゃないので、多分もっとあると思うのですが。また、同じくシーウインドのシンセ/ホーン・プレイヤー、ラリー・ウィリアムスもリリコンを使ったことがない筈は無いのですが、証拠が見つかりません。
Sea Wind Light the Light 1979 Driver 未調査
Raphael Ravencroft
Gerry Rafferty City to City 1978 未調査
Gerry Rafferty
Right Down The Line Best盤か?
Larry Nelson
サックス及びベース奏者。ケンタッキー大学関連のバンドでいくつかアルバムをリリースしている。他にThe Osland Saxophone Quartetでバリトンパートを担当。
Satchitananda A Tought Away 1976 Lyricon II 未調査
Vel Selvan ( David Luell )
ウエストコーストのスタジオ・ミュージシャン。トム・スコットが参加するまえのLA Expressのサックス奏者で、昔の名前はDavid Luellといいます。トム・スコットの所で紹介したJack Dougherty のアルバムにもバリトン・サックスで参加しています。
Peter Mclan Playing Near the Edge 1978 Lyricon 未調査

Movie Sound Track A Perfect Couple 1979 Lyricon 未調査
Rodney Franklin In The Center 1979 Lyricon 未調査
Charles Dechant
ホール&オーツのサックス奏者
Richie Cannata
ビリー・ジョエルバンドのサックス奏者80〜90年代のツアーではDriverを使っていたそうです。現在のそのDriverのオーナーからメールで教えてもらいました。 Thank you Denis, for your info!!!

Billy Joel Glass Houses 1980 Lyricon 未調査
Justo Almario
モンゴ・サンタマリアやポンチョ・サンチェス等との仕事や、コイノニアなどのユニットでの仕事が有名ですが、ラテン・フュージョン界にはなくてはならないプレイヤーのひとりです。数多くのスタジオの仕事をこなしており、リリコンによる録音もかなり残っているはずです。
 
Justo Almario Forever Friends 1985 Lyricon 未調査
Bobby Dukoff
サックス吹きにはお馴染みのマウスピース・メーカーでサックス奏者。サブトーンバリバリのおじいちゃんなんですが、ちゃんとユーザー・リストに名前載っています。
George Howard
亡くなってしまいましたが、ソプラノ・サックス及び、他のリード楽器奏者です。ユーザー・リストに名前が載っていました。
Jaroslav Jacubovic
チェコ出身のマルチ・リード奏者。バリトン・サックスが多い。70年代後半リーダー作含めいくつかの録音がある。ギョロ目メガネかけたユニークな顔のジャケットが印象に残ってます。

Jaroslav Jacubovic Checkin' in 1981   未調査
Larry Kane
詳細不明。ユーザー・リスト
 
Ronnie Laws
EW&Fでサックス・プレイヤーとして活躍。後にR&B系にリーダーアルバムも多く発表。ヒューバート、エロイーズ、デボラと兄弟関係であることも有名です。Computoneのユーザーリストに入っていますが、リリコンの録音がまだ見つかりません。
Peter Ponzol
これまた、サックス吹きには高級マウスピースメーカーとして有名な名前が出てきました。ご本人は勿論サックス吹きで、リリコンのユーザーリストに名前が載っています。上に出てくるClive Stevensとか川崎遼なんかとのセッションがいくつか録音されています。
Peter Ponzol with Joe Gallivan & Abbey Rader PRISM 1978 Lyricon II 未調査
John Walters
多分UKのLandscapeというバンドでサックスとリリコンを吹いていた人だと思われる。Landscapeで3枚くらいのアルバムを出しているようだ。ユーザー・リストより。
Landscape From The Tea Rooms Of Mars
Landscape Manhattan Boogie Woogie 1982
Brian Travers
UKのポップ・レゲエバンドUB40のサックス奏者。
UB40 Geffery Morgan 1984 Lyricon 未調査
UB40 Baggariddim 1985 Lyricon 未調査
UB40 Rat in The Kitchen 1986 Lyricon 未調査
UB40 Live in Moscow 1987 Lyricon 未調査
Dave McMurray
CONNの6Mでファンキーなフュージョンを演奏するデイブ・マクマレー。最新作でLyricon Driverを使用しております。
Dave McMurray Nu Life Stories 2003 Jazz Life
日本のリリコン・プレイヤー
Takeshi Ito
言わずと知れた、スクエアの伊東さん。日本でリリコンの名前が知れたのは、伊東さんのTVCMやスクエアのヒットによるものでした。初期スクエアに参加していた鷺巣さんやマイケル河合さんが高校生の頃バンドの先輩だったことや、伊東さんが在籍していた日大リズムにトラでお邪魔してたりしたことがあって、あまりにも身近な存在だったのと、当時の自分の音楽の方向と少し違っていたところがあって、本当に失礼ながら当時は聴いても素通りしていたことが多かったのですが、最近会社のパーティのゲストにT-SQUAREの皆さんをお招きする機会があったり、リリコン研究のためにあらためて聴き始めた訳です。 で、改めて伊東さんの馬力に驚いております。
photo
The Square Make Me A Star 1979 Lyricon
The Square Rockoon 1980 Lyricon
The Square MAGIC 1981 Lyricon
The Square 脚線美の誘惑 1982 Driver
The Square うち水にRainbow 1983 Lyricon
The Square Adventures 1984 Driver TVCMになったTRAVELERS、ALL ABOUT YOU
The Square Stars And The Moon 1984 Driver 未調査
伊東たけし Dear Hearts 1984 Lyricon 未調査
伊東たけし L7 1985 Driver 未調査
The Square The Square Live 1985 Driver 未調査
The Square Sports 1985 Driver 未調査
The Square resort 1985 Driver 未調査
Takeru Muraoka
ベテラン・リード・プレーヤーの村岡さん。おそらく、日本で初めてリリコンを使ったプロフェッショナル・プレイヤーではないかと思います。かつてアドリブ誌にリリコンの解説を書いておられました。リリコンでの録音は少ないのですが。...
村岡建さんご本人から情報をいただきました。ユーミン、小椋圭さん、相本久美子さん等、数々のレコーディングでリリコンをお使いになったそうです。音色を太くするために何度もダビングを重ねるなど工夫されたそうです。伊東たけしさんは当時村岡さんのサックスのお弟子さんで、村岡さんからリリコンについては随分影響を受けたとか。興味深いお話です!村岡さんありがとうございました。
鈴木茂 Lagoon 1976 クラウン Lyricon 未調査
はっぴいえんどの鈴木茂さんのアルバム。「コルドバの夜」でソロ
村岡建 Soft Landing 1977 キングSKS-3005 Lyricon
惣領泰則 Good-Bye! Good-Bye! Good-Bye! 1977 ビクター Lyricon 未調査
Shikata Takashi
しかたさbbといえば、いまは作曲・編曲家としてののほうが有名かもしれませんが、サックス奏者であり、80年前後にはZAPというフュージョンバンドを率いていました。リリコンのほかに、エフェクトのかかったサックスや、PVシンセサイザーなど新しいテクノロジーと、ビッグバンドでの経験に基づいた周到なアレンジが魅力のJフュージョンバンドです。また、あまりコマーシャリズム路線でないところも好感が持てます。入手困難となりましたがZAPの録音は、スリー・ブラインド・マイスのレーベルで残されています。
ZAP Dream Traveller 1979 TBM(P)-4003 Driver リリコンの使い方としては、シンセサイザーを操作するデバイスとしてあまり管楽器を意識していないような使い方だと思う。1曲目でしかたさんのリリコン・ソロを聴けるが、ドライバーにモジュラーシンセを接続してかなり自由に和音でのソロなどを楽しんでいる。
ZAP Oh! Sunshine TBM(P)-5022 Driver ZAP2枚目のリリースとなるこのアルバムでは、さらにリリコンの使い方にバリエーションが増え、B1「うろこ雲」、B2「ドリーム・トラヴェラー」などでフィーチャーされている。なおこのアルバムではテナーに菊地康正さんが加わって好プレーを聴かせている。



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